120.社員の育成と同時に必要なものとは?
2016/04/28
なぜ組織内の人の問題がなかなか減らないのか?
拙著の出版を機に頂いたご縁で、
6月より「人事マネジメント」に連載寄稿する事になりました。
全5回の、第1回目のテーマは「なぜ人材を『チーム』単位で育てるのか?」
今回のブログは原稿の入り口の部分について少し触れます。
企業経営者とお話をしていて
「人材育成・人材開発」の言葉は理解されていますが、
「組織開発」をご存知ない方が多いと感じます。
グローバル企業では、
いかに働く人々の連携を深め、対話を通して知恵を集め、イノベーションを生んでいくか、そのための組織開発に力を入れている反面、
日本の企業ではまだまだ取り組みが遅れていると感じます。
和の力、チームプレー
そして創造性
もともと日本の組織の強みだった「一致団結する力」、「イノベーション力」が、
今はベクトルもバラバラで悪い意味での個人主義が増え、
組織内に様々な“ロス”が発生しています。
人間関係がうまくいかない
意見を言いにくい職場の雰囲気
縦割りの組織etc…
このようなロスは、うすうす感じてはいるけれど、数字や行動でははっきり表現できない、
そして人の内側にある心理的なもので、人との摩擦を避けがちな日本では放置される事が多く、
やがては強固な“望まぬ”組織風土になります。
人との関係性や組織風土・企業文化に働きかけ、
人が力を発揮する土壌を組織内につくる支援を行う、
これが組織開発です。
組織開発では「コンテント」と「プロセス」という概念があり、
例えば、職場で何を行っているか、何が話されたかを「コンテント」と言い
どのように行われたか、どのように話されたか、目に見えにくい人の感情や人との関係性を「プロセス」と言います。
いくら個人を研修やOJTで訓練(人材開発)しても、
個と個をつなぐ関係性や目に見えない感情を含めたプロセスに働きかけないと、
せっかくの研修も期待通りの効果が得られずに、かけた費用も無駄になりがちです。
人材開発と組織開発を両輪で行う事で、かけた費用(コスト)がその組織の永続的な「資産」になり、
人や組織が持続的に学習し、価値創造(イノベーション)を作り出す源泉となります。
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