163.制度や仕組みが機能しない理由とは?
2017/05/16
出版から1年半が経とうとしていますが、最近拙著『社員が自主的に成長する「全員活躍チーム」の作り方』(幻冬舎)をお読みくださった現場に近い管理職の方から、自分が働いている職場をなんとか全員活躍チームにできないか?そんな問い合わせを複数頂きました。
お話を聞くと
・下の人たちが活き活きと働けていないのがもったいない
・トップまで現場の状況が伝わらない。さらに上の管理職が情報を抑え込んでしまうから、人が辞める、職場の不満は募る、モチベーションは上がらないという悪循環が繰り返されている
という事でした。
上のポジションになるほど部下が増え組織が大きくなるので、現場の声が届かなくなり制度や仕組みで回し数字を見る事が多くなります。
そこには効率化・簡略化するメリットもありますが、大切な事が削除され見えなくなるデメリットもあります。
制度やルールは作った、なのに
笛吹けども踊らず、という事が意外と多い。
その原因は、ハード(制度やしくみ)は用意したが、それを機能させるソフト(見えない部分。伝え方や部下の感情面の扱い)に問題が起こっていたりする。
上司から決まりごとが降ろされ、その意味も伝えずただ從うしかないんだという空気が流れていたり、部下の声や意見を封じ込め現場の事を分かっていなかったり、あるいは理想を語るもその上司の言行が不一致であったり。
そんな組織では、部下は口に出さなくとも心は冷めてしまいモチベーションは低め安定となる事でしょう。
「何程制度方法を論ずるとも
其の人に非ざれば行われ難し。人ありて後、方法の行わるるものなれば、人は第一の宝にして
己れ其の人に或るの心掛け肝要なり(西郷南洲翁)」
(どんなに制度や方法を論じても、それにふさわしい人物でなければ、うまく行われないだろう。その人があってこそ、制度や方策は活かされるものであるから、人は第一の宝であり、己れがその人に成るのだという日頃からの心がけが大事である。)
自戒も含めて、気をつけたいものですね。
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