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238.人的資本経営

2023/06/29

先日、とある人事経済学の専門の方の講演を聞く機会があった。

そこで残念なデータを目にした。

・仕事の面白さの国際比較
仕事が面白いと答えた比率は先進国が7割〜9割なのに対して、日本は5割強。
・さらに仕事の面白さが何で決まるかについて、
日本以外は
1.社会的意義、2.自律性、3.興味関心のマッチ、の順に対して
日本は
1.興味関心のマッチ、2.人間関係、3.社会的意義
の順。

2.は日本特有に思うが、さて気になるのは
日本は3.社会的意義より1.興味関心のマッチが1番に来ている点だ。
なぜ社会的意義が1番にこないのか?

話は変わり、多くの会社で人在不足を耳にする。
外部からの募集も高い費用がかかったり、採用が思うようにいかないとのこと。
ならば“今ある人たちを育てる”だ。

今年に入り、人を資本と捉えて人の価値を最大限に引き出す「人的資本経営」の流れが
人事戦略の見直しを加速させている。
それに関連してリスキリングという言葉が拡がっているが、私はずいぶん昔から
「企業は人」「人の成長なくして企業成長なし」である。
今後の経営哲学は、出光興産創業者の故・出光佐三氏の「人間尊重経営」の経営哲学に少しは近づいていくのか。

働く人の成長にこれまで以上に力が入れられる。一方で、
教育研修制度、評価制度、賃金制度、キャリアパス等、人事戦略のハード面から手をつけるところが多いようだが、人の心に火をつける、主体性を引き出す、理念の自分事化等のソフト面に力を入れているところは少ない。

よって、笛吹けども踊らず、という悩みも多く耳にする。

仕事の興味関心とのマッチングも必要だろうが、まずは仕事の本義、自分たちの存在理由を再確認し、
仕事の社会的意義を経営陣も従業員も本気で自分事にすることを優先すべきではなかろうか。
興味関心に合うポジションやポストが常にあるとは限らない。
しかし我々は、日々仕事をしている のである。
ならば、まずは仕事の本義「人へのお役立ち/利他」を今どのように実践するか?深めるか?拡大できるか?
そうしてお客様や社内の仲間への貢献を最大化し続け、自分や会社が成長していく過程で、
できていくであろうポジションやポストにたどりつけるののではなかろうか。

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